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2007(平成19)年4月以降の健康保険制度の主な改正点  

 医療保険制度を将来にわたって持続的かつ安定的に運営するため、平成18年10月に引き続き平成19年4月から医療制度の改正が行われます。
 今回の改正では、70歳未満の方の入院に係る高額療養費制度の見直しによる窓口負担の軽減、総報酬制に対応した出産手当金・傷病手当金の引き上げ、標準報酬月額上下限と標準賞与額上限の見直しや退職後の給付の廃止などが実施されます。
 さらに、平成20年4月には、新たな高齢者医療制度の創設、特定健診・特定保健指導の健保組合などの保険者への義務化などが予定されています。

1.70歳未満の方に対する高額療養費制度の見直し

 70歳未満の方の入院に係る高額療養費が現物給付化され、窓口での支払いが軽減されます。これまでは、医療費の3割を一旦窓口で支払い、自己負担限度額を超えた分を健保組合に請求して支払いを受けていましたが、平成19年4月からは、健保組合が発行する「限度額適用認定証」を提示すれば、一度に多額の現金を用意する必要がなくなり、窓口負担が自己負担限度額までで済むことになります。
 限度額適用認定証は、事前に健保組合に申請し、交付を受けることが必要です。認定や交付の具体的な手続きは、各健保組合にお問い合せ下さい。
 また、一定の限度額は、所得に応じて異なります。下記の例(右図の)では、上位所得者の場合が約15万5,000円、住民税非課税世帯の場合は約3万5,000円になります。

例:胃ガンの手術で10日間入院した時(医療費約100万円・所得区分「一般」の場合)

2.標準報酬月額の上下限の見直し

 標準報酬等級が上限・下限ともに拡大され、39等級から47等級になります。

「標準報酬月額」とは?
 保険料は収入に応じて負担しますが、変動する各個人の報酬に基づいて計算することは、事務的に大変です。そこで、基準となる額を段階的に定め、その範囲内に該当する方については、その額を1カ月あたりの報酬額とみなします。これが標準報酬月額です。
 標準報酬月額は、原則として給料等の支払基礎日数が17日以上ある月の3カ月間の報酬の平均額で決められます。

「標準報酬日額」とは?
 標準報酬月額を30で割り、10円単位で四捨五入した額です。傷病手当金や出産手当金(4.参照)の計算基礎となります。

平成19年4月以降の標準報酬等級表

3.標準賞与額の上限の見直し

 ボーナス(賞与)にかかる保険料を計算するときの上限設定が、「1回あたり」から「年間合計」に変更されます。

「標準賞与額」とは?
 ボーナスの1,000円未満を切り捨てた額で、これに各健保組合の保険料率をかけた額が、ボーナスで徴収される保険料になります。ただし、平成19年4月からは、その年度(4月1日から3月31日まで)の合計額540万円が上限となります。

ボーナスを標準報酬に反映
 平成15年4月から総報酬制が導入されたことにより、ボーナスからも保険料が徴収されることになりました。平成19年4月から出産手当金・傷病手当金の給付額(4.参照)が見直されたのは、ボーナスの水準を反映したためです。

年3回まで支給されるボーナスが対象に
 ボーナスから保険料が引かれるのは、年間に3回まで支給されるボーナスについてです。年間に4回以上支給される場合は、毎月の保険料の算定基礎に組み込まれるため、ボーナスからは引かれませんが、月々の保険料が増えることになります。

4.出産手当金・傷病手当金の引き上げ

 1日当たり標準報酬日額の60%が支給されていた出産手当金、傷病手当金が標準報酬日額の3分の2に引き上げられます。

「出産手当金」とは?
 女子被保険者の出産による休業保障として、出産前後の一定期間、健康保険から支給される給付金です。
支給期間
出産の日以前・・・42日間、ただし双子以上の場合は98日間
※出産予定日より遅れた場合は、遅れた期間も支給
出産の日後・・・56日間

「傷病手当金」とは?
 業務外の病気やけがによる休業保障として、健康保険から支給される給付金です。労務不能となった日から3日間連続の待期期間が必要です。
支給期間
支給開始日から1年6カ月間

5.任意継続被保険者の給付の見直し

 退職して任意継続被保険者になった場合でも、一定の支給要件に該当すれば、出産手当金と傷病手当金が支給されていましたが、平成19年4月からは支給されなくなります。

「任意継続被保険者」とは?
 健保組合の加入期間が2ヵ月以上ある方が退職したとき、20日以内に手続きをすれば引き続き健保組合の被保険者になることができます。これを「任意継続被保険者制度」といいます。期間は最長2年間で、保険料は事業主負担分がないため、全額個人で負担します。

6.資格喪失後の給付の見直し

 1年以上の被保険者期間があった方が、資格喪失後6カ月以内に出産した場合に支給されていた出産手当金が原則として廃止されます。ただし、次に該当する場合は、支給対象となります。
・出産(予定)日前42日以後に退職した場合
(※被保険者期間が1年未満の方は、出産(予定)日前42日から退職日まで受けられます。)

平成20年4月から

70歳から74歳の一般所得者は、平成21年3月まで窓口負担が1割に据え置かれます。 新たな高齢者医療制度が創設され、65歳から74歳までの前期高齢者と、75歳以上の後期高齢者に区分されます。前期高齢者は、従来の医療保険各制度に加入し、後期高齢者は、都道府県を単位とする広域連合が運営する新たな医療制度に加入します。
自己負担を3割から2割に軽減されている乳幼児の年齢が、3歳未満から義務教育就学前までに引き上げられます。 40歳以上74歳以下の加入者(本人・家族)に対する健診・保健指導が、健保組合などの保険者に義務化されます。